由良町にある白崎海洋公園。青い海と白い石灰岩が織りなす絶景から「日本のエーゲ海」と言われるこの場所で、あるイベントが行われていました。
現れたのは、同公園の指定管理を行う(株)マレア・クリエイトの中西さん。頭にはタオルを巻き、半袖半ズボンという出で立ちです。
数年前に由良町に移住、地域の観光振興に向け、固定観念を覆し新しいものをどんどん取り入れる、人呼んで〝由良町の織田信長〟。
そんな中西さんが、「デジタルマーケティングの世界と地域の未来」というテーマで話されると聞き、参加してきました。
時代は変わる メディアも変わる
講義の前半は、世界に起こる情報革命と、デジタルマーケティングについてのお話。
ここ数年、スマートフォンが驚異的な速さで普及し、人々のメディアへの接触・消費行動も大きく変化しています。
日本ではインターネット広告費が4年連続で2ケタ成長。紙媒体の広告からネット広告へのシフトが起こっていると言えます。
そんな時代で必要とされるのが、ブログやSNS、検索エンジンといったネットメディアを使ったPR、つまり「デジタルマーケティング」です。
しかし、単にホームページやSNSアカウントを作っただけではお客さんは見てくれない、と中西さんは言います。
各メディアの役割を知り、効果的に活用する「デジタル」の力と、ターゲットを具体的に想定して戦略を練る「マーケティング」の力がなければ〝売れる仕組み〟は作れないとのこと。
誰もがスマホを使って情報を発信できる時代。そこで突出するためには、メディアの本質を理解し、戦略的なプロモーションを打ち出せるかどうかが重要というお話でした。
見方を変える 捉え方を変える
講義の後半は、白崎海洋公園の事例を踏まえた、地域資源の発掘について。
キャンプ場検索サイト「なっぷ」で人気ランキング日本一にまで押し上げ、その名を全国に知らしめた中西さん。その後の挑戦にもデジタルマーケティングの力が発揮されています。
例えば今年開設された「由良町勝手に観光協会」というサイトでは、オフィシャルな観光協会では書けない地域資源を自由な発想で紹介し、Facebookページは1500いいね!を超えます。
またGoogleマップやトリップアドバイザーに登録されている情報数も周辺エリアの中では突出。そのほとんどは中西さんが地道に登録していったものです。
ネットメディアを最大限に活用した由良町の売り込みをされているんです。
中西さんいわく、大切なのは「誰と何をするか?」ではなく、「誰のために何が出来るか?」。
地域のことを考え、自分たちができることを〝勝手に〟やっていく。そこには地域の合意形成は必要なく、少人数でもやっているうちに賛同者が増えてくるとのこと。
自ら「行動力がすさまじい」と話す中西さん。講義の最後に、「行動は気付きに比例する」と、行動することによって様々な気付きがあると話していました。
デジタルマーケティングを自在に使いこなす〝由良町の織田信長〟は、今度はどんな革命を起こしてくれるのでしょうか。
熱い想いは続いていく
このイベントは、和歌山県内30市町村の交流を通じて和歌山を元気にする「TEAM 3℃」が開催したもので、様々な分野からゲスト講師を招き、教養を深める企画「3℃アカデミー」の一環で行われました。
「TEAM 3℃」では現在、和歌山を発信する企画をいくつか進めているそうで、詳細はまたこのサイトでもお伝えしたいと思います!
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