秋晴れの由良町散策 魅力伝える語り部ハイキング

和歌山県中部にある由良町は、古くは万葉集にも美しい風景が詠まれ、天然の良港である由良港は南北朝時代の歴史書「太平記」にも登場するなど、昔から海上交易の一拠点として栄えた町です。

そんな由良町の歴史と魅力を伝えているのが、「ゆら語り部クラブ」の皆さん。メンバーはボランティアで活動しており、団体旅行やメディア取材に同行したり、独自イベントの企画もしています。

今回は、ゆら語り部クラブ主催で毎年開催されている「ぶらり由良めぐりハイキング」の模様をお伝えします!


ゆら語り部クラブについて
ゆら語り部クラブは、由良町中央公民館長などを勤めた大野さんが、史跡や名勝の多い由良町に来てくれる人を案内しようと、2009年に立ち上げました。

現在メンバーは13名で、年間約400人に対しガイドを行っています。特に代表の大野さんの情報量はすさまじく、由良町のことなら何でも知っていると言われています。

大野さんのガイドを聞くために、イベントに参加する方もいらっしゃるそうです。

また語り部クラブでは、より多くの人に由良町の歴史を知ってもらうため、毎年観光パンフレットを作成。また独自に史跡の案内看板も設置するなど、活動内容は多岐にわたります。

今や由良町の観光になくてはならない存在となっているんです。



門前地区をぶらり
11月18日、由良町を代表する禅寺・興国寺の駐車場にはたくさんの人が集まっていました。

語り部によるガイドとハイキングを楽しもうと、町内外から50名以上が参加。好天にも恵まれ、予定通りイベントはスタートしました。
今回のエリアは門前地区。室町時代に大きな勢力を持っていた興国寺の門前町として発展し、今でも多くの史跡が残るこの地区を巡ります。

この門前地区は、幕末から明治にかけて活躍した実業家・由良守応(もりまさ)が生まれた場所です。
守応は幕末の志士として陸奥宗光、後藤象二郎らと親交を深め、維新後は岩倉具視の欧米視察に同行。イギリスで見た二階建て馬車に心奪われ、日本で初めて二階建て馬車を走らせた人物です。

〝日本の陸上交通の先駆者〟とも言われています。
イベントでは、守応生誕の地の石碑の前で大野さんによる解説が行われました。

他にも庚申堂や道しるべなど、門前地区に点在する史跡を歩いてめぐりました。



いざ、興国寺へ
門前地区を1時間ほど歩いた後、休憩タイムに入りました。参加者には由良町の特産品であるみかんが振舞われました。
その後、参加者全員で興国寺に参拝します。まずは境内の奥にある天狗堂に行きました。

何度も火災に見舞われた興国寺には、上州赤城山の天狗が一夜にして堂宇を再建したという伝説があり、この天狗堂には大きな天狗のお面が奉納されています。

また毎年1月にはその伝説にちなんだ「天狗祭り」も開催されています。

大きなお面に参加者の皆さんは圧倒されていました。
特別に法堂の中にも入らせていただき、じっくりと内部を見学できました。

天井に描かれた龍の絵。大きな禅寺では、火除けのために龍の絵がよく描かれます。
また堂内の中央に立って柏手を打つと音が反響し、まるで龍が鳴いているように聞こえることから、「鳴き龍」とも呼ばれています。

イベントはこれにて終了。子供からお年寄りまで楽しめる、素敵なイベントでした。

参加された皆さん、スタッフの皆さん、おつかれさまでした!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ゆら語り部クラブや由良町の歴史スポットについて、もっと知りたい方はこちら!

0コメント

  • 1000 / 1000